国家公務員が何か書くブログ

20代男性国家公務員のユルユルな私生活を書くブログ(予定)

今野晴貴著『ブラック企業から身を守る! 会社員のための「使える」労働本』を読んで

この少子高齢化時代、私たち20代の労働者の定年はどこまで延びるか分からない。少子高齢化は、若者の所得を増やせない国にその責任があるわけだが、そんなことを言っても一労働者である私たちにはどうしようもない。ささやかな抵抗として、選挙の投票に行くくらいである。

そんな背景があって、私たちにとって「働く」というのは一昔前より一層考えなければならないテーマとなっているだろう。国は私たちに働け働けと言ってくるかもしれない。しかし、私たちは会社の奴隷ではない。

というわけで、最近私は労働法に興味がある。労働法とは言っても、堅苦しい感じではなく、使える感じの労働法を求めている。私は公務員なので、労働法が適用されない部分も一部にはあるが、概ね適用されると言っていい。

知識は力だ。これからの時代に私たち弱小労働者が生きていく為には、知らなくてはならない。

というわけで、今野晴貴著『ブラック企業から身を守る! 会社員のための「使える」労働本』をネット通販でポチッて読んでみた。

 

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内容は、労働相談を行うNPO法人の代表である著者が、「ブラック企業」から身を守る為の労働法を分かりやすく書いているというもの。今は身近である「ブラック企業」という言葉も、著者が広めた言葉であるようだ。

口語調で書かれたこの本は、掲載する情報が厳選されている為か、かなり読みやすかった。集中して読めばすぐに読み終えられるような文章量なのも良い。既に知っている知識も多かったが、それ以上に知らない知識の方が多かった。

この本の中で、著者は、以下のことを説いている。

 

・証拠の重要性

違法な労働をさせられていて、会社と争いたい時、実はメモ書きが証拠になり得ることを皆さんはご存知だろうか。私は知らなかった。

そのメモ書きは詳細に書かれていればいるほど良く、実際にメモ書きで会社に勝った例もあるのだとか。

勿論、メモ書きだけではなく、会社公式文書や録音記録も重要な証拠となる。

そして、違法な労働は、違法なので労基が動く。労基も人手不足なので、これを動かすのは一苦労なのだが、証拠さえきちんと揃っていればちゃんと動いてくれる。

そんなわけで、著者は証拠の重要性を説いている。

 

労働組合の重要性

労働組合とは言っても、それぞれ会社に個別にある労働組合ではない。会社に関係なく広く産業・職業別に開放されている労働組合の重要性を著者は指摘している。

というのは、会社別の労働組合というのは、企業にベッタリであったり、労働争議をするという意識がなかったりで、私たち労働者を守ってくれないことが往々にあるからだ。皆さんも経験がないだろうか。

実は私たち国家公務員にも労働組合がある。意外にある思われるかもしれないが、事実存在するのだ。しかし、その労働組合は、(高齢者の割合が非常に高い為)傾斜も非常に緩く給料が少ない若手が負担する年会費が異常に高い、活動内容も労働争議ではなくクッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッソどうでもいい政治活動をメインとして行っている(ように見える)。この団体が労働組合を名乗るのは非常に不愉快なので辞めてほしいものだ。当然、私は加入していない。

というわけで、私も労働組合に良いイメージがまったく無かったのだが、そんな風なイメージを持つ読者に、著者は実例を挙げながら労働組合の重要性を説いている。

 

他にも色々あるのだが、このへんにしておこう。気になった人は、実際に買ってみてはいかがだろうか。